忘れられる権利とは?
最近よくメディアなどで取り上げられているのが忘れられる権利というものです。この忘れられる権利とは過去の犯罪記事や前科というものを長い年月が経過した時点で公開していいのかという権利について考えるものです。
今の犯罪記事や前科については、公開するかどうかは議論することはないでしょうが、はるか昔のことについて、わざわざ掘り出して公開をするということが良いのかどうかは問題です。
ということと同時に、今はネット社会となっていて、一度でも公開されればそれが真実であるかどうかに関わらず、世界中に広まってしまって、それを取り消すことは出来ないということがあります。
逮捕歴、前科の削除
投稿した記事は運営サイトに削除を求めることが出来ますが、記事を削除するのかどうかは運営サイトの判断に任されているのが実情で、本人の思考というのは全く考慮されないというのが現状です。
これでは、個人の忘れられる権利が侵されているのではないかということで、議論が起きているのです。個人には情報を知る権利があると同時にプライバシーを守られる権利もあるのではないかということです。
今のネット社会では、個人の知る権利が圧倒的に有線されていて、個人が出す情報というのは、全くのノーチェックで世界の人々の目に出来るところに公開されます。これは、一面では圧倒的な情報提供が出来るという点で優れているのですが、一点では無秩序に情報が氾濫するということを引き起こすことになります。
特に人の犯罪履歴や前科というようなものは、どこまで出していいのかということは真剣に吟味する必要があると考えられますが、現状では一切の吟味無しにネット上に掲載することが出来るという状態です。
現状は、逮捕歴削除は難しい
これをかろうじて防ぐことが出来るのが公序良俗に反する記事の掲載を差し止めるというものですが、この法律ではあまりにも具体性を欠くのでネット上での記事の取り締まりというようなことまでは出来ない状態です。
今のところでは、ネット上では、忘れられる権利は全く無視される状態となっているといえるでしょう。最近このことが話題になるようになったことで、一部のサイトが記事の削除要請などに応じるようにもなっていますが、どんな記事を削除して、何を残すのかということはサイト運営者の道徳に一任されている状態なので、ほとんど意味を成していないというのが実情です。
この問題はネット社会の副産物のようもので、これから必ずついて回ることとなるでしょう。